鎌倉の海

一人暮らしの母に関する覚書き。タイトルおよび記事中の写真は内容とは関係ありません

主治医の先生と面談

入院して一ヵ月経つので、現在の症状や今後の治療計画などについて、主治医の先生から詳しい話を伺いたいとお願いをしたら、快く応じてくださり、この日の面談が実現した。平日なのはやむを得ない。仕事を休んで病院へ行く。

満を持して(というくらいのつもりで)病院へ行ったのだが、驚いたことに、主治医の先生の話は5分足らずで終わってしまった。

「電話でも申し上げました通り、手術はできないと判断したので、歩けるようにはなりません。だから家にももう帰れません。痛みは徐々に引いていきます。痛みの様子を見ながら徐々にリハビリをします。車椅子に乗れるようにするのが目標です」

一応、レントゲン写真は見せてもらい、骨折した箇所の説明はしてもらったけど、こちらとしては何とも物足りない。いくらなんでももう少しいろいろ話が聞けると思っていたのに。質問はありますかと聞かれたので、「食欲はありますか」と尋ねると「ありますよ」とのこと。「普通食ですか」「そうです。ほかに質問がなければ、あとは相談員から説明を受けてください」と言われ、相談員のアラガキさんを紹介される。

アラガキさんといったん部屋を出る。「お母様に会って行かれますか」「いいんですか」「本当は禁止なんですけど、せっかくなので、短時間なら」とのことで、まずは病室へ案内してもらう。

骨折してから一ヵ月経つが、痛みは全然引いていないようだ。いや、一ヵ月前はもっとひどくて、これでも少しは良くなっているのか? じっとしていれば痛くない、と言うけれど、本当に体を動かさずじっとしているわけにはいかない。寝返りをうつだけでも痛そうだ。これではともて車椅子に乗れるようにはなれないのではないかと不安になる。

皆さんからお見舞いをいただいたことを報告し、アヤメさん、ハルさんからもらった手紙を見せる。また、自宅に咲いた花や、きれいになった雨戸の写真をカラーでプリントしておいたので、それを見せる。興味は示したがあまり熱心に見るという風でもなかった。身体が痛くてそれどころではないように思われた。手紙は病室に置いてきた。もう少し痛みが引いたら改めて読んでくれるだろうか。

リハビリ担当のホシノさんをご紹介いただく。下の名はアヤメさんとおっしゃるそうだ。「妹さんの名前と同じだそうで、それですごくかわいがってくださるんです」とのこと。アヤメ叔母さんと字も同じだ。「はい、近くに住んでいて、とても仲良くしています」。今は痛くない方の足をマッサージしてくれているそうだ。

その後、談話室でアラガキさんと話をする。病院までくれば、母に少しくらいは会わせてもらえるのではと期待していて、それはかなえられたが、相談員さんが待機してくださっているのは予想外だった。

アラガキさんもよく病室を訪れて様子を見てくれているようだ。先ほど先生は普通食とおっしゃいましたが、普通食に近いのですが実際は軟菜食で、残すこともあります。それ以外は元気にしていらっしゃいます。など普段の様子も少し聞くことができて、初めてほっとする。

アラガキさんの話は、主に病院を出てからのことだった。病院というのは、最大二ヵ月までしかいられない。治療の必要な人のために場所を開けておく必要があり、国からもそのように指導されている云々。容態が悪くて全く動かせないとかであれば別だが、そうでない限り出て行く必要があるとのこと。

病院を出た後の行き先としては、自宅に戻れないとすると、介護老人保健施設老健)に行くか、特別養護老人ホーム(特養)に行くか、民間の老人介護施設に行くか、他の病院に行くか、だいたい選択肢はその4つ。

老健の場合は長期生活するところではなく、リハビリをして家へ帰れるようにすることを目的とした施設で、原則として三ヵ月までしかいられない。三ヵ月ごとに施設を変えて、ずっと老健にいる人もいるけれど……。また、車椅子に乗れない人(寝たきりの人)は普通は受け入れてくれない。

特養は要介護3以上の人が入れる施設。母は要介護1だけど、たぶん今は違うと思うので、早めに見直しをした方がいい。

別の病院に行くならば、受け入れ先があるかどうか、問い合わせはこちらも協力する。

民間の施設は数がたくさんあってすべては把握しきれない。また条件もさまざまなため、エージェントを紹介するから、直接交渉をしてほしい。

というような話であった。

こうしたことは、自分でも多少は調べかけていたが、きちんと説明を受けたのは初めてで、ありがたかった(一時間半くらいていねいに説明してくださった)。が、入院は二ヵ月が限度というのは厚労省の指示で決まっていることで、融通を利かせることはできないようだった。

病院を出た後はどうするか、来月の中旬くらいまでには方向性を決めておいてほしいとのことだった。

新コロナワクチンについて尋ねると、接種会場に指定されてはいないが、この病院で打つこともできる。ただいつワクチンが入荷するかは未定。詳細がわかったらお知らせしますとのこと。

母の携帯電話を預けておいたが、病室には置いておけないとのことなので、返してもらうことに。

終わったあと、もう一回病室に行きます? と聞かれたので、再度病室に寄る。「あら、今日はどうしたの?」と、先ほど会ったことは覚えていないようであった。しばらくは痛いかも知れないけど、あせらずゆっくり養生してね、と伝えて帰る。

いろいろと収穫はあったが、不安や心配事がますます増えた感じだ。
(2021/6/13 記)


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