鎌倉の海

一人暮らしの母に関する覚書き。タイトルおよび記事中の写真は内容とは関係ありません

ゴミ当番

今月、母はゴミの集積所の掃除当番である。朝、ゴミステーションを組み立てたり、掃除をしたりするのだが、それが一か月続く。かなり体力的にキツイと思うので、当番が回ってくると聞いたときは、トシだからと言って断わったら? と言ったのだが、自分だけ迷惑をかけるわけにはいかないと言い張っていた。が、いざ始めてみたら、思ったより重労働だったようだ。

しばらく前にヘルバーさんが家に来たら、母がぐったりしていて、聞いたらゴミ当番で疲れたといったそうだ。その報告がケアマネージャさんに行き、ケアマネージャさんは、もう当番は辞めた方がよいと判断し、しかるべき人にお願いしようと思ったが、誰に連絡すればいいかわからず、事務所の人にその件を依頼した。その結果、責任者はわかったが、個人情報の絡みもあり、自分たちのような第三者ではなく、家族から直接連絡した方がいいということになった。――という電話があり、自治会の会長さんの名前と電話番号を教えてもらった。

昼間電話してみると、会長さんは不在で、その奥さんとおぼしき方が出たのだが、息子だと名乗るといきなり「いつまでお母さんを一人にしておくおつもりなんですか!? 私たちみんな心配しているんですよ!」と言われてしまう。

この方とは会ったことはなく話をするのも初めてである。こんな失礼な口の利き方をされる覚えはないのだが、母に一人暮らしをさせざるを得ないことについて罪悪感があるのは事実だし、ご近所の方が心配してくださっているのも事実なのだろう。何も言い返せず、ただ「ご心配をおかけして申し訳ありません」と繰り返す。

夜、再度の電話。会長さんに、今回で最後にしてほしいとお願いすると、自分もその方がいいと思っていた、というありがたいお言葉をいただく。

これでこの件は一応の決着をみたが、納得しかねる点もある。一世帯で一か月も当番を担当するのであれば、何世帯くらいがゴミ集積所を利用しているかわからないが、なにもわざわざ辞退しなくても、生きているうちに次の当番が回ってくることはないのではないか。が、一年くらいでまた回ってくるのだという。12世帯しか利用していないわけがないから、免除してもらっている人が相当数いるということだろう。実際、サラリーマンにはまず無理である(一週間とかであれば、その週だけちょっと早起きして対応できるかも知れないが)。サラリーマン家庭が免除され、年寄りや、専業主婦のいる家だけで回しているとするなら、それもまたアンフェアな話である。しかしまあ、そんなことを追求しても仕方がないので、そこは突っ込まないことにする。

夜、電話して、ゴミ当番大変でしょ、と訊いてみると、「ヘルパーさんが偉い人に掛け合ってくれて、もう当番はやらなくてよくなったの」という。偉い人に掛け合ったのはオレなんだけどなー。まあそう思っているなら、それはそれで、いいか。



福祉・介護ランキング