鎌倉の海

一人暮らしの母に関する覚書き。タイトルおよび記事中の写真は内容とは関係ありません

入所を受け入れる

約一ヵ月ぶりの面会。土曜日なのでがらんとしている。アラガキさん(か別のスタッフ)が出てきてくださるのかと思ったが、そうではなく、受付でいきなり病室にいくよう指示された。なるほど、(表現は悪いが)許可してあげるから勝手に会えということか。こちらは、退院日の交渉もさることながら、普段の様子などをできる限り聞きたかったのだが、まあ土曜日だから致し方ない。

母は元気であった。ここ一年くらいの中では一番元気だったかも知れない。もう入院して4ヵ月経っちゃったわねえ、などと、月日もきちんと把握していたし、入院した日、ヘルパーさんがずっと付き添っていたことも覚えていた。病院の支払いにかなりかかっているんじゃないかと心配していたのがちょっとおかしかった。母の貯金を引き出して支払いに充てています、年金もちゃんち入ってきているし、大丈夫ですよと言うと安心したようだ。

母宛ての手紙を見せると読み始めた。それはいいのだが、時間制限は10分と言われていて、既に10分が過ぎている。手紙はあとでゆっくり読んでとベッドサイドの机の上に置く。

だいぶ元気になってきたようだから、そろそろ退院だよという。病院は治療の必要な重篤な人を次々に受け入れなければいけないから、元気になった人は場所を空けないと。でもお母さんは一人で歩けないから、お世話をする人が必要でしょう。それで、ここを出たら、そうしたお世話をしてくれる人のいる施設に行くことになるの。とゆっくり説明。

「遠いところ?」と不安そうに訊くから「市内だよ」と答えると、「あ、そう、良かった」と嬉しそうな声を出した。やはり市内にしておいて良かった。

「施設といっても、そこは個室がありますからね。これまでずっと一人暮らしをしていたから、急に誰かと一緒の部屋で暮らすというのは気詰まりなこともあるでしょう。だから、誰かと一緒にいたいときはロビーなりにいればいいし、一人になりたい時は部屋へ戻ればいい」「そういうところは高いんじゃないの?」「年金の範囲で賄えるから大丈夫」「それならいいけど」

もう二度と自宅には帰れない、ということをどこまで認識しているかわからない。が、とりあえず今の時点で、次の行き先を嫌がらず、「良かった」と受け入れてくれて本当に良かった。

時間は20分ほど。10分を過ぎてからは看護師さんが何度も様子を見に来たが、この程度は許されよ。帰り際に看護師さんに挨拶をし、普段の様子を尋ねるが、ろくな説明をしてくれない。まあ、土曜日だから仕方ない。

あとは退院日の交渉だ。最悪、退院から入所までショートでつなぐことも考えなければいけない。

(2021/7/19 記)


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